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William Mills & Son

1894年カタログ


Leonard rodのリールシートには“The H.L.Leonard rod Leonard & Mills co. makers”と刻印されていますが、この“Mills co.”と“Leonards co.”との関係はバンブーロッドマニアの方はもちろんご存知のこと思いますが、正式名“William Mills & Son社"の歴史について少々記述してみる事にします。

William Mills & Sonは1870年にH.L. Leonardの販売権会社となり、その後H.L.Leonard,Co.の株式を取得、ついに会社経営権自体も手に入れていました。Mills社は両者の名前“Leonard & Mills”を結び合わせ、当時アメリカの釣り業界で更に有名な存在になっていました。会社の真の強さは、タックル部門と販売部門を一世紀以上に渡り最大級の規模で続けられた事であったようです。Mills社で経営権を握られたLeonardのロッドは1966年までN.Y.のMills社のショップやカタログへ紹介され続いていました。

1924年カタログ




1883年のWilliam Mills & SonのカタログにはH.L. Leonardのバンブーロッドやリールが紹介されていました。かの有名な“Catskill”シリーズやWilliam Mills & Sonオリジナルの“Standard”(Mills社の工場で製造されているとの説明は、当時既にレナード社を手に入れていた実態からレナード社で製造され、ほぼ“Catskill”の半額で販売された廉価版と考えるのが正しいのではないかと考えます。)はレナード以外で他に勝るロッドは無いと説明されていました。レナードのBi-Metal、Orvis Reelなど今では非常にレアーなアイテムが販売されていました。正に、1800年後半から1900年中旬までのアーリー・アメリカンンのフライフィッシングシーンはWilliam Mills & Sonによってもたらされたと言っても過言ではないと思います。

1939年カタログ



William Mills & Sonの創業は1822年で、ThomasとJames Bateの兄弟がイギリスのReddichで所有するフィッシング・フック製造工場をNew Yorkにも知らせるため両者が代表となって設立されました。当時既にメールオーダーカタログを発行されており、アメリカでのメールオーダーの歴史は、1800年代既に始まっていた事が分かります。
ショップの住所は、No.7 Warren Street,N.Y.
工場はCetarl Valley、N.Y.とReddinton Englandと記載されていました。

1843年Jamesの息子のThomasと娘のElizabeth,叔父がタックル会社T.&T.H.BateからMills社に、更に10年後Elizabethの主人William Millsと2歳になる息子Thomas Bate Mills がイギリスから事業に加わり徐々に事業を移していった。

また、William Millsは、徐々にBate社の経営に携わるようなり、創業者のBateが亡くなった1873年に社名をWillam Mills & Sonに商号が変更している。しかし、実際に会社の規模を拡大したのはその息子のThomas Bate Millsであり、1883年父の死後に会社を相続している。

Thomas Bate Mills(愛称は“old Mr.Mills”)は、愛想が良く、ブルックトラウトアングラーとしての大きな名声があり、オリジナルのWet Fly“Mills Natural”は当時のアングラーにBrook Trout用のフライとしての評判が高かった。頑丈で元気に90歳代を生き抜いてきたが1941年亡くなっている。Thomas Bate Millの6人の子供の内3人はWillam Mills & Sonのビジネスを更に拡大し、Eddieはキャスティングで名声を、ChesterはNew YorkのFinger Lakeでフライタイイングのプロジェクトを立ち上げ、アメリカメイドのフライ販売する会社を40年に渡り続けていた。

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