inserted by FC2 system
Rainbow631


Meisselbach社のRainbowは1916年〜1940年までに製造されていました。Rainbowの特徴はHardy社のUniquaに酷似した形状、
特にCrescent Latchを採用したスプールの脱着機能のある初期型は1916年から僅か3年間しか製作されず、現存する台数は
極めて少ないモデルです。
このレアーな初期型を入手しましたが、リールのフットが半分欠損しており、何とかオリジナルの状態に戻そうと考え
レストアしてみることにしました。



知り合いのH氏よりフットのリプレース部品を分けて頂き、リプレースするか、オリジナルとほぼ同じ形状に加工するか
悩みましたが、素材がアルミニュームなので加工がそれほど困難ではないことから、オリジナルな部分を残しながら欠損部分の
加工を行い修復する事としました。

レストア構想は、

1.リプレース部品のフットは適当な長さに切り取り落とし、鑢で加工を行う。
2.結合部分は階段状に切り取りエポキシボンドで接着を行う。
3.リプレースのフットのネジ穴はエポキシパテでふさぐ。
4.リールとフットとの結合は、結合処理終了後にネジ穴を再度開け直し、
オリジナルのネジで留める。


まず大まかなサイズをリプレースのフットにマジックで寸法書き、ノコギリで切り落とします。
今回は万力でフットを押さえ、切り落とす方法で行いました


リプレースのフット加工の第一段階は幅の調整です。両サイド数ミリを鑢で削り落とします。
この作業だけでも30分程度かかりました。


ほぼ幅の調整が完了した時点で第二段階の加工に移ります。リールを取り付ける台座の
部分を削り落とし、さらにエポキシボンドで接着出来るよう更に階段状に削り落としを行います。
鑢を使っての加工作業では一番時間がかる部分です。休み休み行っても3時間ほどかかって
しまいました。


どうにかフットの加工も終わり、第三段階は両方のパーツの接着です。まず、実際にリールを
装着するバンブーロッドのリールシートにマスキングし、エポキシボンドの流れ出しを防止し、
その上に仮付けを行い全体の形状を再点検を行います。
何度かパーツの加工状態の微調整を
鑢で削り直します。エポキシボンドを塗り再度リールシートに固定し、
その上からマスキングを
行いマスキングで固定します。ここまでの作業で2日間もかかってしまいました。


両パーツの接着が完了し、更に隙間へエポキシパテを盛り付けます。このパテは15分程度で
硬化しますので、盛り付けは迅速に行わなければなりません。



ルーターを使いパテのサンディングを行い、第四段階でオリジナルに近いフットが完成しました。



全体のサンディングを行い、外観には更に磨きがかかります。



フットの加工もいよいよ最終段階です。新たに作成したフットにネジ穴を開けます。この作業で穴の位置を
間違えるとここまでの作業が台無しになってしまいます。
まず、リールとの接着面の穴から小型のルータを使い小さな穴の開け、更に反対側から
大型のドリルでネジ山が隠れる程度までの切り込みとなるよう何度もネジを合わせながら
ゆっくりと穴を開けて行きます。


初期型のRainbow631が蘇りました。この作業には3日間かかりましたが、満足のいく出来
栄えにこれまでの苦労が吹っ飛んでしまうようです。勿論、実釣でがんがん使って行く
予定です。

Home

inserted by FC2 system