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H.L.Leonard rod 9.6feet


初期のH.L.Leonardに魅せられて収集を続けるうち、外見がかなりやつれていましたが、
細部には何も問題の無い9.6feetを入手する事が出来ました。
このレナードは、昨年の11月より4ヶ月かけてフルレストを行い完成したものです。



ロッドの状態はバット・ミッドセクションとも表面が極度のメルトダウン、
バット部に至ってはまるでやけどにあったのではないと思えるくらい塗装が溶けてカリンカリンに固まっていました。
段巻きは大部分が色あせ、剥げ落ちて一部の修復では収まらない状態。
ガイドは一部が欠損し、コルクはリプレイスしなければ実釣には厳しいくらい疲れていました。



レストアの全体構想は
@コルクのリプレイス
A化粧飾りのラッピング以外全て剥離。
B段巻きはかすかに残ったラッピングの跡へ忠実に再現。
Cガイドが全て逆ひねりを使用されいる為にさびを落して、ウレタンコ−ティングを施す。
D欠損ガイドはジャンクから転用。
Eメノウのストリッピング・ガイドも同様にジャンクから転用。
Gティップは微妙なずれを起こさないように同時に剥離をせず、
位置を合わせながら交互に修復をおこなう。



このかすかなラッピングの跡が正確な段巻きの位置を教えてくれます。
設計図を書いても数mmの誤差は必ず発生してしまいます。



全剥離でも構わないのですが、一部くらいはオリジナルな箇所を残したいものです。
化粧飾りのラッピングスレッドは、100年近く経過していますので
色合わせは完璧を求められませんが、何とか近い赤を探し出しました。
今回のスレッドは、アメリカのロッドビルディングプロショップAngler's work shopの
スレッドを使います。



段巻きはバット・ミッドは4回転、ティップは3回転しか巻けませんので、
最後まで仕上げに根気が必要です。今回はマスキングテープを使って開始位置を正確に決め、
巻き上がり1段ごとにカラープリザーバーを使い、
緩まないように固めながら何とか段巻きを修復する事が出来ました。



修復まで4ヶ月かかってしまいましたが、何とかLeponard9.6が完成しました。
レストア後のLeponard更に一皮剥けたようなな感じがします。
管理釣り場で早速試し釣りしましたが、もともとロッド表面のメルトダウン以外に問題ありませんでしたので、
想像通り初期のLeponardロッドの感触はそのまま、アクションはメディアムでラインは5番くらいでした。

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