inserted by FC2 system
H.L.Leonard rod 10feet


1900年代初期のH.L.Leonardには当時の主流であった10feetの長さに何かノストラジックな印象を感じるものです。
このロッドは2本のティップを含めてほとんど4本とも同じ長さ(ティップ1本が僅か4mm短い)で、
オリジナルに近い状態のロッドを幸運にも入手する事が出来ました。



このロッド全体の状態は、大半のラッピングがひび割れ、一方のティップは先端から2cmのところまで6角の内2角が欠けて、メノウのストリッピング・ガイドはリプレイスされ不似合いな印象、「でもこの程度の状態ならオリジナルに近く仕上げる事が可能ではないかな!」などといろいろなレストア方法を考え始めました。ブランク全体の塗装状態は非常に良く、100年近くたっているとは思えないほど綺麗、Leonardは何本か持っていますが、4本とも同じ長さの状態にはなかなかめぐり合えず、何とかオリジナルの状態の修復出来ないかと思案しながらのレストア作業を開始しました。



レストアの全体構想は以下の通りにまとまりました。
@ガイドを全て外し、マスキングして塗装の段差を滑らかにする。
Aブランク表面はディッピングによるウレタン塗装で全体を修復。
Bメノウのストリッピング・ガイドを交換。
Cガイドが全て逆ひねりを使用されいる為にさびを落して、ウレタンコ−ティングを施す。
Dフェル−ルの点検。
E一方のティップ先端の2角欠損の補強とマスキング作業。



ディッピングによるウレタン塗装を2回行いました。ブランクの状態が良い為にウレタン塗装を行う事で更に磨きがかけられました。



コルクは良い状態でしたのでサンドペーパーを施しました。



ティップとフェル−ル結束状態を点検します。先ず気が付いたのがラッピンング糸の濃さが2本異なっている点です。色の濃く見えるほうが内部で変色している可能性を否定出来ない為、内部を確かめてみる事にしました。 良く見ると段巻きの間隔が明らかに一方より広く感じられます。過去に修復された可能性が高いと思われます。 念のため両方のラッピングを解き、結束部分の点検を行いました。内部は腐食は無く、結束状態にも問題がありませんでした。念のためマスキングをしてフェル−ルの隙間にエポキシ接着剤をうすめ液で薄めて前面に補強を行い、乾いた後にサンディングを行いました。何しろ当時のフェル−ルはピンが打ってありますので、極力オリジナルの状態を残す為の苦肉の策とした訳です。完成後は一方の段巻きは間隔が若干広かったので、そのままにしたオリジナルを参考に再度ラッピングしました。



ガイドは全てさびを落とし、サンディングしてから2回ウレタンコ−ティングを施します。



ジャンク・パ−ツの中から10feetの長さに合いそうな大きめのメノウ・ガイドは幸運にも一つだけありましたので、これを付ける事にします。



一方のティップは、先端から2cm程度6角のうち上下の2角が欠損していました。それを補強するように、ちょうど火鉢の炭を持つは「さみのような形のガイド」が付けられていました。これは上手い事考えた方法ですが、ガイドの形が納得いきません。そこでこのガイドの一部を活用する事にしました。一本を2cm程度に加工して、磨き上げと物をブランクに合わせてトップガイドの挿入、もう1本は更に短くしてブランクに当て木として活用。これで補強対策は問題なく、更にティップを短くする事も回避する事が出来ました。その上から赤のスレッドでラッピング、さらに下の部分は目立たないように黄色のスレッドでラッピングしました。



Home
inserted by FC2 system